起きたときにのどがヒリヒリしたり、唇がカサカサするのは、寝ているあいだに口呼吸をしているからです。これはのどや唇が冷たい空気にあたって乾燥するためです。また、音をたててモノを食べるのは、口を開けて呼吸したままモノを食べているからです。
イビキをかくのは口を開けていると舌根がのど元に落ち込んで気道が狭くなるためで、歯ぎしりも寝相による咬み合わせの傾きが原因だと考えられています。

口呼吸を治すと、わずか1ヶ月後にはまず、くちもとが引き締まります。顔の左右のバランスが取れて目がパッチリ、肌ツヤがよくなり、色白で利発そうな印象を見る人に与えることができます。

古い補綴物が歯を悪くする原因

補綴物(ほてつぶつ)とは、インレーなどの詰め物やインプラントや入れ歯などの義歯といった、失った歯の補綴に使われる人工物のことです。
今から40年程前には、咬み合わせのことなどあまり考慮されずに、補綴物が虫歯の治療あとに被されていました。咬み合わせが考慮されていない昔の補綴物は、全体の咬み合わせをも悪くします。咬合治療の患者さまのなかには、ときどきそのような何十年前かの補綴物を口のなかに見かけることがあります。
そのような状態になると、外傷性咬合と呼ばれる不適切な咬み合わせの力が、歯を支える骨にかかるようになります。長年そのまま放置していると、歯を支える骨はその力に負けて歯周病を起こし、歯が失われる原因になります。
また、歯は長年のあいだに少しずつ磨耗してきます。金属でできた補綴物は磨耗しにくく、そのため補綴物を被せた歯に外傷性咬合の力が徐々に加わるようになります。最終的には歯周病を引き起こし、歯を失う原因につながります。
補綴物を入れた歯を長持ちさせるためには、定期検診によって力のバランスを診ることが非常に大切です。

咬み合わせの悪さが引き起こす病気

~消化器~

咀嚼運動がスムーズに出来ないため唾液の分泌量が減少し、内臓系の内分泌のトラブルを起こします。

便秘 : 5~6日に一度の排便しかなく、下腹が痛む。肩こり、頭痛をともない、口内が荒れたり、食欲不振に陥ることもある。

肝臓病 : 腹部に張りを感じ、黄疸などを引き起こす。舌が白い、顔色も青く、食欲不振気味になる。

胃潰瘍 : 食後数分すると胃に痛みを感じ、その痛みは背中の方まで回っていく。背骨が痛むような気がする。

十二指腸潰瘍 : 空腹時に痛みを感じる。胃潰瘍と同じような症状だが、多く食べたときの方が痛みを感じる時間が短い。

歯のトラブル : 唾液の分泌が少ないと虫歯の進行を早め歯槽のう漏の原因となる、食べかすの沈着が多くなる。

~生理機能~

頭蓋骨がずれると脳下垂体が歪み、ホルモンバランスが崩れます。また体内時計が狂い、昼夜の境が無くなり精神状態に影響を与えます。

生理不順 :生理痛が起こる。

不妊症 : なかなか子供ができない。

子宮筋腫 : 月経が長くなったり多量になったり、生理時以外にも出血する、排尿排便時にも異常が起き、足がむくんだりすることもある。

代替行動 : 精神的不安定要素がでて、何か他の要素で満たそうとする行動が現れる。

~呼吸器・循環器~

血液の酸素量が減少し、呼吸器や循環器のトラブルを引き起こします。

気管支炎 : 気管支が炎症を起こして息が苦しくなり、呼吸するときにゼイゼイする。急性の場合は発熱する。

喘息 : 呼吸をするときに空気の出し入れが思うようにいかず、呼吸困難を起こして顔色が悪くなり、冷や汗を流す。

高血圧 : 首のコリや後頭部に痛みを感じ、耳鳴り、めまいがする。よく眠れないこともある。

低血圧 : 朝方の寝起きが悪く、たびたび頭痛や立ちくらみを起こし、顔色が悪く、常に体調が悪い。

心臓病 : 顔色が悪くて脈も一定せず、激しい運動や急な動きをすると息切れや動悸を起こしやすい。

冷え性など : 血液中の酸素量が減少すると末端の毛細血管が冷えや冷え性、吹き出物を起こす。

咬み合わせの健康知識

~脳~

脳は身体を動かす司令塔。脳を包んでいる頭蓋骨が歪むと、身体全体のバランスを取る三半規管の位置に微妙にズレが生じ、原因不明の吐き気や頭痛、耳鳴りが起きます。
さらに脳の位置そのものがズレることによって、肉体面だけでなく、ノイローゼなどの精神的なトラブルや認知症なども引き起こします。

~平衡感覚~

咬み合わせの悪さから生じる身体の歪みは、血液や神経の流れを阻害します。平衡感覚や運動神経に大きな影響を与え、手足のしびれや腰痛、膝痛、股関節痛などの原因となります。
わずか1本の歯の数ミクロンのズレが背骨を歪ませ、左右の足の踏ん張る力に差が生じると同時に、左右の手の力のバランスも悪くなります。その結果、スポーツ選手が実力を発揮できなくなってしまうこともあります。

~感覚器官~

アゴ、顔面、頭部は交感神経や副交感神経の自律神経が集中して走っています。咬み合わせの悪さからくる余計な刺激が絶えず自立神経を刺激し続けると、自立神経失調状態に陥ってしまいます。 その結果、耳鳴りやアレルギー性鼻炎、蓄のう症などの耳鼻咽喉科系の疾患や、目の奥の痛み、白内障、緑内障、飛蚊症などの眼科系疾患、舌や触覚の異常などが起こります。