歯を失ったままにしておくと、咬みやすい側で咬むため、顎(咬み合わせ)がずれてきてしまうのです。歯を失ってほったらかしにしている患者さんの中には「顎が痛い」「肩こり」「偏頭痛」などの症状があります (こめかみに血管が多く通っているため)。これらは咬み合わせのズレによる人体のバランスのズレから生じている可能性があり、咬み合わせから膝が曲がらない、肩が上がらない、アトピー、金属アレルギーといった症状が出てくる可能性もあります。
咬む行為は脳に血流を送るポンプの役割を果たしており、よって咬む行為は体のバランスをとる働きもしているんですね。
咬む行為ができなくなることで、ただ食べられないだけではなく、体中の色んな所に弊害が出てきます。例えば、イギリスで行われたビーグル犬を用いた実験では、健康だったビーグル犬の右下半分の歯を全て無くすと、犬が足を引きずって、よだれをたらすようになった、という報告があります。
ですから、咬み合わせはとても重要で、その根本となる歯の有る無しというのは、お口の中の問題だけではないということになります。